円筒分水鑑賞用のデータを収集しています。加除修正などお気づきの点がありましたらお知らせください。
関田円形分水工(せきたえんけいぶんすいこう) |
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丸子川が形成した六郷扇状地の扇頂部にある円形分水で、まさに扇の要的存在。
昭和の初め、水源供給能力強化のため仏沢ダムを建設するとともにこの円形分水工が設置され、旧六郷町を中心に7町村へ水を供給している。(飯詰堰、中野堰、寺村元屋敷堰、幹線水路(六郷・畑屋堰)、六郷堰、紀ノ国堰、中村堰へ分配。なお、飯詰堰へは飯詰幹線水路を経由して飯詰円形分水でさらに3分配している)
昭和6、7年が凶作(干ばつか?)だったため当時の県議京野孝之助が導入に尽力した。 |
■名称 |
関田円形分水工 |
■用水名 |
七滝土地改良区用水 |
■管理者 |
七滝土地改良区 |
■所在地 |
秋田県仙北郡美郷町六郷東根上関田 |
■完成年 |
1938年(昭和13年) |
■緯度経度 |
(調査中) |
■形式 |
多孔式(オリフィス式) |
■規模 |
直径10m オリフィス180孔 |
■分配数 |
ここでは7 |
■鑑賞に適した時期 |
かんがい期と思われる(GW以降) |
■総合 |
★★★★★ |
□大きさ |
★★★★★ |
□美しさ |
★★★★★ |
□迫力 |
★★★★★ |
■管理人の雑感
かなりポイントの高い円形分水。
何といっても180孔を数えるオリフィス数が最大の魅力だ。ここでは7本の水路へ分配しているが、その分配先の耕地面積の最小公約数を考えると180孔ものオリフィスが必要になったのだろう。
農水省作成のパンフレット「農業用水を大切に使う先人の知恵」によると、大正末期からの新田開発で恒常的にQが不足し流血惨事を招くほど激しい水争いが発生したという。富国強兵を目指す食糧増産政策が、逆に国内で紛争を招いたという例の一つだろう。その後、仏沢ダムの築造による水源強化と円形分水の設置で水争いは終焉を迎えた。
流血惨事とはうらはらに、流れる水はとても清冽だ。この土地改良区は全国でも珍しく水源涵養保安林を管理しているという。まったく教材にはもってこいの疏水といえる。
管理人が訪れたときはベニヤ板を水圧でオリフィスの内側に張り付けて塞ぐ方式で飯詰堰への分配量が制限されていた。まだ代掻き・田植が本格化していないということだろうか。桜咲く奥州の遅い春を思わぬところで感じ取った。
また、関田円形分水から飯詰幹線水路を流下して飯詰円形分水へ導かれるという「親子分水」と聞いていた。管理人はすぐ近くにもう一つの円形分水があるものと思い込んでいたこと、案内地図が掲載されているだろうと甘い考えを持って現地へ向かったが、近くに飯詰円形分水は発見できなかった。
帰宅後、疏水名鑑を見ると七滝土地改良区が教材用として作成している資料がアップロードされており、PDF資料の最後のページに飯詰円形分水工の位置もなんとなく記載されていることが分かった。後の祭りであった。
現地は県道12号線のすぐ横にあり見つけやすい。駐車スペースも十分で、案内板やトイレも設置されている。
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