円筒分水カルテ
円筒分水鑑賞用のデータを収集しています。加除修正などお気づきの点がありましたらお知らせください。
西天竜幹線水路円筒分水群(にしてんりゅうかんせんすいろえんとうぶんすいぐん)
イメージ 当初分水口を百五個設置したが水利の調整に困難し五十七個の穂坂式配水池を設けて公平な分水を行った。用水の問題は対外的にも対内的にも終始数々の問題に苦しめられている。特に渇水時には水量不足と漏水によって幹線水路後半の南箕輪・西箕輪・伊那町は水不足となった(伊那市史 現代編)
穂坂式とは、第3代西天竜耕地整理組合長「穂坂申彦」氏が円筒分水工を採用したことによる。
土木学会の近代土木遺産に指定されている。土木学会誌(2008.6)によると、「現在、円筒分水工が35基活用されており、大小の分水を加えると実に83基に上る」とある。
1号甲 1号乙  2号
3号 4号 5号
6号甲 6号乙 7号
9号 11号 14号
16号 17号 18号
19号乙 20号 21号甲
21号乙 22号 23号
24号 25号甲 29号
30号 31号 32号
33号 34号 36号
37号 西天竜発電所 水利使用標識
29号支川 29号支川 33号乙

■名称  西天竜幹線水路円筒分水群
■用水名 西天竜用水
■管理者 上伊那群西天竜土地改良区
■所在地 長野県上伊那群箕輪町、南箕輪村、伊那市
■完成年 1939年(大正8年〜昭和14年)
■緯度経度 (調査中)
■形式 スリット溢流式
■規模
■分配数
■鑑賞に適した時期
■総合 ★★★★☆+α
 □大きさ ★★★★☆+α
 □美しさ ★★★★★
 □迫力 ★★★★☆
■管理人の雑感
トップ写真は西天竜頭首工。ここから西天竜幹線水路に水を引き込んでいる。
幹線水路沿いを往くといやでも見つかる。そのほとんどがフェンスに囲まれているためこれを目印に探しても良いが、漏れをなくすためには、水路沿いの水門番号を確かめながら進むと良いだろう。
円筒分水のバーゲンセールといったところであるが、決して安っぽいものではない。
岡谷市内の天竜川から分水された貴重な水は、辰野町を通って伊那に運ばれる。中央自動車道西側に青々と広がる田園地帯を潤しているのだ。
完成当時は単に天竜川の流況に頼っていたのだろう。伊那市史によれば渇水に見舞われたという。
ダムなどのコントロール施設がないかぎり、Qが減少すれば渇水は避けられない。長い水路では河川同様、上流側の者が水をたくさん使えば下流に水が行き届かなくなる。このためにも円筒分水が設置されたのだろう。
また、発電水路と共同で水路を使用していることも見逃せない。発電による収益を見込み水路維持補修作業を分担させることで農家の負担を軽減させる目論見もあるのではなかろうか。
なお、見学に際しては小型乗用車、自転車、バイクをお勧めする。幹線水路沿いの管理用道路の幅員が狭いためだ。地元の農家の方も大勢おられるので、挨拶も忘れてはならない。
伊那に行ったら、ローメンを喰らうことも重要なポイントである。
■宿題(メモ)
・trx_45さんからの情報(宿題)
 32号支線水路の途中にも33号乙と同様県道端に1基あります。
・30号支川か?(29号支川に修正)の南側にも完全形ではありませんが扇型がひとつあります。
・南箕輪村の22号支線水路の途中に扇型がひとつあります。
・箕輪町木下の18号支線用水路の途中にけっこう大きな円形のものが一つあります。
・辰野町北大出の1号乙の支線水路の途中に円形のものが一つあります。
・現在は廃止されていますが、31号支線水路の途中に円形のものが現存しています。

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